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国は違っても

 春はお客さんが多く、中でも滞在が長かった台湾からのお客さんとは濃い時間を過ごしました。



商社を早く退職して田舎暮らしを楽しむアンさん、地域文化の保存に努めるジェンさんとテレビ番組制作に携わるジミーさんご夫婦。3人とも台東の小さな街に住んでいます。長年、パーマカルチャーを学んで様々な実践をしているとのことで、ひろんたの暮らしに興味を持って来てくれました。ツワブキを引いてむいて料理し、味噌をつき、アジのすり身を作り、教会見学や島の西の果てまで魚市場に行ったり。散歩がてら歌野家まで朝ごはんを食べに来るのも日課でした。国は違っても思いは一緒だと、こんなに通じ合えて楽しい時間を共有できるものなのだ、と本当に嬉しい出会いでした。

そんな三人がひろんた滞在の感想を寄せてくれています。

日本語が堪能なアンさんはご本人の文章そのままですが、ジミーさんとジェンさんは自動翻訳によるものでやや誤解を招く部分も(笑)。こんなに美しい暮らしはしてません、と、恥ずかしくなりますが、エッセンスは伝わるかしら。



(ジミーさんより)

それは、島の山奥にひっそりと佇む、人口のまばらな村だった。人々は薪を割り、炭を焚き、七輪で一日三食を作り、豚や鶏を飼い、野菜を育て、野草を摘んで腹を満たしていた。豚肉を燻製にし、豆を挽いて味噌を作り、大麦からビールを醸造し、小麦粉でパンを焼いていた。

私が想像していたような自給自足の生活が、この島での彼らの日常だった。滞在したのはたった3日間。時間が足りなかった。来年また来たいと思っている。

このような田舎暮らしを自分の生活で送るのは難しいけれど、もっと知りたい、もっと体験してみたい。

(陳君明/Jimmy)



(アンさんより)

ここの環境が大好きです。とくに、歌野家へと続くあの短い道。森の中を歩いていると、聞こえてくるのはウグイスのきれいなさえずりと、小川のせせらぎだけ。歩いているうちに、気づけば心も体もふっと軽くなっていました。

ここの食べ物が大好きです。自家製の味噌や醤油、ハムやソーセージ、ビール、それに七輪で丁寧に焼いた料理や焼きたてのパン。いい食材を使って、心を込めて作られたものは、お腹だけじゃなくて心までじんわり満たしてくれます。

ここの暮らし方が大好きです。薪を割って炭を焼き、七輪で料理をして、野菜を育てて、鶏を飼う...できるだけ地元のものを使って、その土地に寄り添って暮らす日々は、まさにずっと憧れていた暮らしそのものでした。

ここの人たちが大好きです。細やかに気を配って大切にしてくれたのはもちろんですが、芯のある生き方や、毎日を大事に過ごしている姿にもすごく心を打たれました。

3泊4日の暮らし体験は、本当にあっという間でした。島を離れてからも、道ばたでつわぶきを見かけるたびに、気づけばもう、ひろんた村が恋しくなっている自分に気づきました。

(黃敏芬/Ann)



(ジェンさんより)

森と渓流に満ちる空気は冷たく澄みわたり、田畑で自家栽培された小麦が風に揺れ、薪をくべた炭火の煙が立ちのぼり、煮え立つ大豆の濃厚な香りと、室内で寝かせた麦麹の発酵の気配が漂います。私たちは、よく育った麹の塊を一つひとつ手でほぐすところから始め、段階的に大豆をすり潰してペーストにし、そこへ麹粉を混ぜ込みながら丁寧にかき混ぜ、最後に力強く団子状にまとめて木桶へ投げ入れ、空気を押し出して封じ、一年の熟成を待ちます。来年、味噌が出来上がる頃に再び訪れることを楽しみにしながら。


これはひろんた村の歌野家が年にわずか二度だけ行う味噌仕込みの時期であり、別れの後の旅路においても何度も思い出してしまう味となりました。その味わいはそれだけにとどまりません。食卓では七輪の炭火が赤々と燃え、餅に自家醸造の醤油をつけて焼いた香ばしさ、コク深い味噌の汁、しっかりとした弾力のあるパン、爽やかで飲みやすいビール、さまざまなハムやソーセージ、燻製肉、魚料理、漬物、山菜の採集と料理、ほうじ茶の清らかな香り、柑橘の皮の甘酸っぱさを生かしたデザート、山椒ペーストのレモンペッパーの風味……そのほとんどが自家生産によるもので、採集・栽培・飼育・加工などを通じて、里山の環境資源と知恵が多様に活かされています。

主人一家は自給自足の暮らしを実践する忙しい日々の中でも、私たちの四日三泊の滞在のために心を尽くして準備し、丁寧にもてなしてくれました。ひろんた村の母屋で働くMiwaさんも、温かく私たちを自宅に招いてくださり、パーマカルチャーに関わる暮らしについて分かち合ってくれました。短い間ではありましたが、家族の日常に寄り添うことで、この山林の環境や自給的な暮らしの営みについて、初歩的でありながら実感の伴う理解を得ることができました。

しかし、季節の移り変わりや成長の変化に応じて行われる農作業の一つひとつには、複雑な工程と技術が詰まっており、継続して学ぶべき生活の知恵が宿っています。私にとって彼らは、伝統的な生活の知恵を日々丁寧に繰り返しながら、確かなかたちで生きている存在です。

「技術は極めることそのものではなく、どう生きるかにあり、そして生きる中で磨き続けるものだ。」

これはひろんた村のウェブサイトにある理念と、実際の体験を通して私が得た気づきの言葉です。生活のために自ら炭を焼き、美味しい肉製品や味噌を作り、山野の恵みを活かした料理を経済の糧としている姿には、深い敬意を抱きました。現在の暮らしの中では、農園を荒らす動物の問題や、高齢者のケア、体験型の共生の在り方への転換など、現実的な課題にも直面していますが、歌野家はその情熱と理念、そして創意工夫によって、自給自足の道に新たな可能性を切り開き続けていくと感じています。

最後に、歌野さんが私たちを頭ヶ島天主堂や日島の定置網漁の体験へ案内してくださったことに心より感謝します。島の歴史と文化的風景への理解をより深める貴重な機会となりました。

「みんなのこと待ってるよ!」

別れ際に歌野さんがかけてくださったこの温かい一言が、来年また訪れて学びたいという私たちの気持ちをしっかりとつなぎとめてくれました。

(林慧珍/Jenn)

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長崎県南松浦郡新上五島町鯛ノ浦郷87−658

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