ひろんた村体験学習(7月の短信より)
- ひろんた村
- 7月31日
- 読了時間: 4分
【ひろんた村体験はいかが?】
今年は早くから猛暑のニュースが続きます。五島列島は少し外れるのか、ひろんたも今月半ばまではそう暑くなく、今も日中は陽射しギラギラでも、朝晩はひんやりしています。
今月のお便りのメインは、先月末にやってきた大学院生の坪井友杞乃さん。田んぼの除草作業や大豆の播種、そしてこのハム作りも、めいっぱい手伝っていってくれました。田車(田んぼの除草機)を延々と押して「身体が喜んでいる」と笑い、何を食べても「おいしい!」と叫ぶゆきのちゃん。これまでもこれからも世界中を飛び回るようですが、どんな暮らしを目指していくのか、楽しみです。
彼女が利用したのが、県と町による「学生インターンシップ補助制度」で、インターン学生の旅費や宿泊費に補助が出ます。学生さんたち、ぜひひろんた村へどうぞ!
また、有料ですがひろんた村体験宿泊プログラムも行っております。暑い夏、避暑なんてどうでしょうか(歌野家自宅はエアコンもないですが)。
補足訂正:今年から大豆も不耕起栽培を試しています。文中、大豆の種まきで「土を耕し」とありますが、正確には草を刈った畑に種を播く筋だけ鍬で削り、種を置いて軽く土をかけます。(歌野杳)

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【ひろんた村5日間体験】

朝起きると鳥の声が聞こえて、入所者さんたちと朝ごはんをたべ、畑に出かける。
畑では、もう杳さんと、敬さんと、啓子さんが作業をしている。大豆の種を蒔く。土を耕しラインを引く時、ちょっと歪んでしまう。土を耕すのに飽きたら、豆を蒔く。豆を蒔くのに飽きたら、豆の上に土をかぶせる。いっぱい太陽を浴びて汗をかいて、帰ってシャワーを浴びて、利用者さんと一緒に夜ご飯を食べる。そのあと1人で、美味しいお手製ビールと、サラミと燻肉をいただく。夜は、小川の音を聴きながら眠りにつく。
そんな日々は、気持ちのよい疲労感で、なんとも言えない静かな自信が沸き戻ってくるような日々でした。(あまりに自然音が心地良く、帰ってからは、車や電子機器の音に敏感になる日々です・・。しかし、自分が暮らしたいだろう環境を体験できて、とても良かった。)
滞在中、敬さんの本に、「自給を始めてから、全てが自分の時間になった。」という言葉がありました。ひろんた村での「半農半介護」とは?ここに来るまでは、「利用者さんも農業をしているのかな?」と謎に思っていましたが、よく考えると多分、介護をする側の視点。
歌野家だけでなく、母屋ではたらく方々も、地域で田んぼや畑をしている様子も見ました。
そこから、半農半介護とは、「半分は自分の暮らしをつくるために、半分は他者の生活を支えるために」という捉え方をしました。
滋賀県に帰ってきて、農業を始めることはすぐにできなくても、ゆっくり今日のご飯をつくってみる、服を直す時間を作る、お茶を自分で淹れて飲む。こんな当たり前のように見えるけれど、時間がないと、お金で手にいれられることを、時間をとって、自分でしてみる。そうすると、なんだか落ち着く、心が満たされるような気分になっています。
今までも、自分の手を動かすことを意識はしていたけれど、ついついせわしくなってしまう。いっそうのこと、「半分の時間は他の人のためではなく、自分の暮らしのために使おう。」と思い切って思って見ると、なんだか、心が整って、他の人のためにはたらく、勇気も出てくる気がしました。
もう一つ、印象的だったのは、初日に麦の選別をしていたときに「そんなに一生懸命やったらいかんよ」「13時までは休みなさい」とこれまで言われたことがないような言葉をかけて頂き、驚きました。また、農作業も、ラインが曲がってしまうことさえ笑って、愛おしく、一つの作業に飽きたら別の作業をする。本来の暮らしの近くにある農業は、多様で寛大なものなのかなと感じました。
成果が第一なのではなく、ムリをしないこと、自分のペースが尊重されるような環境は自分のいのちが大切にされているようでとても心地良く感じたことを覚えています。

自分のいのちを尊重し、自分の暮らしのつくる時間をたっぷり持つからこそ、他の人のいのちも尊重できるのかなあ。
私は、大学院で、ついついパソコンにかじりついて、夜中まで夢中になって自分が置いてきぼりになることがあるけれど、自分の中での暮らしの時間を取り戻していきたいです。
私は、中学のときに「幸せな老人ホームをつくりたい!」とよく言っていて、テレビでみた両親が、ひろんた村を教えてくれた。それから数年たちましたが、今回は、町のインターン補助でひろんた村に来る背中を押してもらいました。
農作業も、人との関わりも、簡単では無かったけれど、「どんな暮らしをしたいか」自分に問い直す、貴重な5日間でした。 5日間お世話になったみなさま、ありがとうございました!
暮らしの中の3日で作られるハムたち。 何気ない日常の会話とともに、愛の手の中で作られるハム、燻製たちは、とっても美味しい。今回は、お世話になった大切な人に送りたいな、と思っています。(坪井友杞乃)
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