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豚が変わります(時々)

二月もあと僅か、いつだったか染織家の友人が二月の光はもう春なんだと言ってました。それ以降晴れた二月の空を見上げる度に確かに色が違う、景色も違って見える気がしています。我が畑も大根、白菜、ほうれん草、もろもろの野菜たちが花芽をつけ始め春本番を待ってる様子。私も少しソワソワ、春野菜の準備にかからねば、と思っているところです。

さて、前々からお知らせしていますようにひろんた村の養豚縮小にともなって今回はいよいよ味菜自然村の豚登場です。長い会員の方はご存知ですが、歌野家が豚飼いを止めて今のひろんた村の養豚を始めるまでの数年間、味菜村の豚をいただいて加工を続けていました。今の放牧養豚の師匠です。

味菜村は今やっている林拓生君の御両親が有機無農薬の野菜栽培から始まったのですが、大の動物好きである息子の拓生君に代わって養豚に大きく転換。彼のコメントにもあるようにストレスのない豚を育てたいと広い畑を放牧場に変えました。彼は餌にも拘って残飯を一度煮て乳酸発酵させています。その労力たるや大変なものですが、ずっと変わらずやり続けているのには脱帽です。

その味菜村の豚はひろんた村の豚と品種も違うし餌も違うので肉質もかなり違います。一番違うのは肉が柔らかいこと。今回久しぶりなのでどんな仕上がりになるか私もドキドキです。皆様も味わいの違いを楽しんでくだされば幸いです。

今いるひろんた村の豚は2頭。再来月頃には出荷できるかと思うのですが、しばらくは予定がコロコロ変わるかもしれません。よろしくご諒承くださいませ。

味菜の放牧風景(HP より)


【味菜自然村より】

大学卒業して、農業のことすらも何も知らない状態で、いきなり「豚を放牧で飼いたい」と思いつき、始めた放牧養豚。独学で失敗を繰り返しながらやってきて、今年で16年目です。やってみると毎年毎年色んな壁にぶつかり、自然の過酷さや大変さを実感してます。 それでも色んな人に工場の製品のように育てられた豚より自然にのびのびと育ったおいしい豚を食べてもらいたいと思って頑張っています。 そして、そんな放牧豚を育てている味菜自然村は今年、新しく山を買い、大人も子供も学べる山を作ろうと動き始めました。地元の人も都会の人もみんなが集まる場所。自然の中で色んな事を学ぶ場所を作っていきたいなと思っています。機会がありましたら、是非、味菜自然村に遊びにいらしてください。そして色んな意見をいただきたいです。 今回の豚は味菜自然村ではめずらしくずんぐりむっくりした豚でした。放牧してるので引き締まった感じになるのですが、今回の子はまるまるしてました。豚にもそれぞれ個性があり、性格があります。大人しかったり、臆病だったり、気性が激しかったり。今回はほんとにおとなしく、おっとりした感じでしたのでそんなふうに育ったのかもしれません。(林拓生)

*味菜自然村ホームページもぜひご覧ください https://www.ajisaishizenmura.com


【おやつ班より】

肉になって帰ってくる豚をできる限り隅々までいただくため、スジ、膜、脂などまで細かく切り分けてそれぞれ工夫して使う加工部。昨年からはラードをとってお菓子に使っています

。ビスケットやクラッカーの試作を重ね、これまで菜種油を使ってきたものもラード使用でレシピ改定をしてきました。

今月の味菜豚は、肉の質があれだけ違うから当然でしょうが、できたラードの質もかなり違います。融点がさらに低く、常温だととろんとします。またまたレシピ調整が必要なようで、相変わらずクオリティコントロールから程遠い加工部です。でも、自然と人の手が育んでくれたものをちゃんと食べなきゃ、と思うとメラメラと燃えるのです。

世間一般ではイメージの良くないこともあるラードですが、トランス脂肪酸は含まず各種ビタミンが多いという利点もあります。何よりそこら辺を走り回っていた、出どころのしっかりした脂肪分は安心できます。何でも適量が大事ということですね。 肉の切り分け作業の傍らで七輪がことこと生産してくれるラード。意外なほど臭みもなく、料理によし、サクサクおやつもできるひろんたラード(ひろんた豚&味菜豚)を、これからもよろしくお願いします。(歌野杳)

ビスケットの写真が見つからないので、スジを使った肉味噌うどんです



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