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ひろんた農園のいま(6月の短信より)

【夏も間近】

今年ももう半分が終わろうとしています。早いですね!春には明るい緑が眩しかったひろんたの山も、夏の色が濃くなっていくこの頃。川べりを蛍が舞う夜は過ぎ、ひぐらしの声で目が覚める季節に入りました。

 ひろんた村の大きな家は、全員が揃わない時も多かった半年でした。ご家族のお見舞い・看取りのために2ヶ月ほど帰省していた方が戻って来られたのが5月半ば。久しぶりにみんなでご飯だと喜んだのも束の間、1月に円之助さんを亡くしたトメさんが脚の炎症で入院しました。心臓も強くなく、何より96歳という高齢での3週間の入院です。元のように暮らせるのか不安とともに迎えた退院ですが、杞憂でした。初日から「なんか仕事ないの?」と、いつものようにモヤシの根を取ってれたり、布を切ってくれたり。寝たきりで落ちていた脚の筋肉もすぐ回復、癒しの「ありがとーう」を振りまいてくれています。

 ほっとしたところで、今度は節子さん。ご飯のたびに「嬉しいなあ」と食べてくれるのですが、あれ、ちょっと食欲がない、と思ったら具合が悪くなり、救急搬送となりました。鉄の快食快眠快便を誇る節子さんも90歳です。この日もみんなソワソワ心配しましたが、その日のうちに帰宅。やや不調ながら、素朴なご飯に「ご馳走やなあ~」と歓声をくれる元気も戻ってきています。

 やっぱり90を超えた姐さん方は強い。気力も体力も質が違います。まだ90には届かない先輩たちだって、それぞれの人生を映す技や佇まいや表情で、言外にいろんなことを教えてくれます。

 母屋と加工に加えて農繁期、田植えを目前にしてパニックに陥りそうな日々ですが、こういう時こそ身近にある豊かさに気づかねば。そう自分に言い聞かせつつ、一心に鳴くカエルの声に耳を傾けているこの瞬間です。(歌野杳)


節子さん、大漁!

夏仕様にカットしてさっぱりトメさん

【農園の近況】

今日は雨。ここ一週間晴れが続いていたので久しぶりにホッとした気分です。これがまた雨ばかり続くと嫌になるのでしようが、畑にはいい雨です。

 さてひろんた村農園部はいよいよ変革迫られてます。農園の大黒柱だった川崎さんがとうとう引退したのです。昨年間質性肺炎を発症、その後乗っていた軽トラが壊れ廃車に。その時からもう体がキツイと言っていたのでいつかはと思っていましたが6月6日ついに引退の正式!表明。大きな力を失いました。残念、というよりも私としては寂しくてしかたありません。一緒に働くヒロミさんを時に叱り時に笑わせながら楽しくしかも身体はしっかり動かして休まない。二人と一緒に働いたことがある人は皆んな川崎さんの人柄に魅了されました。私の頼みは何でも嫌な顔せずしかもさり気なくやってくれました。あの木をこっちに植え替えて、とか、ツワブキをここに増やしたいとか。川崎さんには本当にいろいろわがままを言いたい放題。でも言ったらいつの間にかやってくれているのです。これから当面は歌野と私がヒロミさんとイアン(昨年からボランテイで来てくれてる)と共に農園部としてやっていく予定ですがどうなることやら。興味と関心がある人はどうぞいつでも一緒に汗をナガシにおいでください。

この笑顔!(手前はヒロミさん)

やっぱり笑顔

 その農園の今の状況をお知らせします。昨日は好天、ヒロミさん、イアン、歌野の三人でじゃが芋掘り。今年はまあまあ豊作、結構大きな大きな芋がコンテナに4杯。もう少し太りそうな株もあったそうですが、この季節はこれ以上置くと暑さで腐ってくるのでこれくらいが限度でしょう。次の仕事はさつま芋の苗挿し。いい雨が降ったので今日植えました。貰った苗も合わせると600本弱。入居者で元気なお二人にも手伝って貰い無事完了。やれやれです。

 雨と機械に鳴かされたのが麦の脱穀。一番早いのは5月中旬に刈り取っていたのですがなかなか天気と人手が揃わずやっと6月5日イザやるぞ−!と気合を入れたら脱穀機のスターターの紐がプッツン切れるアクシデント。その他いろいろあって6月15日にようやく全量脱穀しました。干した麦から芽が出るんじゃないかとひやひやしました。そして手にした麦は大麦が30kあまり、小麦は10kg程。麦プロジェクトと銘打って張り切ったのに不出来。特に主力の小麦(農林61号)は昨年と同じ病気が出たので収量も最悪、実も小さく品質も最低、ババビスができるかどうか、というところ。農園の川崎さんたちに苦労ばかりさせたみたいです。あと野菜畑は一応いろいろ作ってますが今一つ。虫と悪戦苦闘中です。

 もう一つお知らせしたいのは私の不耕起栽培、三度目の新たな挑戦。詳しくはまたいつかお話しますが、自分だけの畑で好きなことやりたい放題。面白くて楽しい、しかし収穫は激減、草は伸び放題。でも新しい発見というか気づくことがいろいろあって畑を見る目が違ってきます。この歳になってもまだまだ知らない世界があるものです。それもほんの身近なところに。

 という風にひろんた村の農の世界もこれから新しい展開を迎えます。よろしく暖かく見守ってください。(啓子)

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