暑い夏でした。まだ日中の残暑は厳しいですが、ひろんたは夜が過ごしやすくなりました。秋虫の声も聞こえます。
母屋のメンバーはそれぞれ小さな怪我や定期外受診もありつつ、皆さん元気です。
風浦さんの歌声は暑さにあっても清々しく、今月はデイの日に「長崎の鐘」が朗々と響きます。最近ちょっと忘れっぽくなった節子さん、毎回新鮮な気持ちで聞いては褒めちぎります。そんな節子さんには息子の徹さんが、「おやつよ」「薬飲まんば」と声かけしてくれて頼りになります。節子さんは目下、長老・円之助さんの笑顔を引き出すのに熱心です。座っていても傾眠ぎみの円之助さんですが、節子さんの数え歌は大好き。お得意の「いち、に、さーん…しの にの ご!」に、毎回ニヤリと笑って、それに節子さんが笑って、ほのぼの風景を作ってくれます。
トメさんは「わたしはなあ、耳も聞こえん、足も痛い、何もできん!」と口癖のように言いながらも(超ローカルな赤尾の訛りはとっても味があるのですが、文字では出なくて残念)、「仕事あったら持ってきなさい」と要求し、持ち込まれる野菜の選別や掃除用の布切りなど、どんどんこなします。何をしても「ありがとう」と特上の笑顔をくれるトメさん、いてくれるだけでありがたい存在です。このちょっと歩行の不自由な方たちをサポートしてくれるのが副島さん。伸びた背筋が若々しい彼女は、みんなにお茶を淹れてくれたり、車で颯爽と出かけては自分も好きな物を買ってきて振る舞ってくれたり。一方、動きの速さは及ばないながらも痒いところに手が届くHさんは、先日は居間の大きな窓の桟を歯ブラシできれいにしてくれました。恐縮してお礼を言うと、「いえね、目の手術をしたら、よく見えるようになっちゃってね」。静かに笑うお茶目なHさんが言うと、全く皮肉っぽく聞こえないのです。
この夏は音楽家の来訪者が数人あり、居間にも普段と違うメロディが響きました。直近は岡山から子どもと研修に来られたまりさんで、普通のバイオリンと、エレキバイオリンなんて珍しい音を聞かせてくれました。音楽家、介護士に加えて米づくりも長いまりさん、田んぼの草取りも手を貸してくれて大助かりです。今年の草取りは夕方を中心にぼちぼち。ひと月ほどかけたので、最初にやったところはすっかり振り出しに戻っていて、なんだか達成感に欠けます。しかし毎日稲とともにオタマジャクシからカエルの成長を見守り、米づくりの先輩からあれこれ教わり、数人の助っ人とともに田んぼに親しんだ日々でした。ちょっと勢いが弱い旭1号、どんな実りの秋になるでしょうか。(杳)
元気な畑から
ひろんた村には3カ所の畑があります。一番広い通称「落道畑」、母屋の斜め向かいにある(耕作放棄地を皆で開墾した「新畑」、そして私が勝手気ままに作っている段々畑。落道畑ではさつま芋やじゃが芋、グリーンピースや麦など作っていますが、広いのでまだ有効利用は半分くらいか。新畑は元水田で4段(4枚)になっていて、そのうち1枚が主に野菜畑。残りに麦を播いたり雑穀を播いたりしているのですが、昨年大豆を播いたらこれが予想以上の豊作。だいたいこの島は大豆に合わない土地が多いのです。それで今年もまた同じ2枚に播いたら、これがまたいい。少し播種が遅くなって心配しましたが、いい雨にも合って順調に発芽。その後の成長も良好。そして何よりこの暑さの中、草取り、土寄せが完全にできたのです。助っ人の手もありましたが、主には農縁組(川崎さん、落道広巳さん)のおかげ。
広い畑に大豆の濃い緑がずっしり並んでいるのを見ると嬉しくなります。大豆は味噌・醤油になり、歌野家ではほぼ主食。秋に採れる枝豆はとても美味。今年は夏の野菜(ナス、ピーマン、ゴーヤ、オクラ…)も元気。畑のものたちが元気だと私も元気!逆に畑の調子が悪いと私も不調になる。この相関関係はけっこう大きいのです。皆さまの元気の因はどこにありますか。夏の終わりも元気に過ごしましょう。(啓子)
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