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執筆者の写真ひろんた村

4月の近況(ひろんた村短信より)

 

お花見もしました!

春真っ盛りです。母屋の外は花が咲き誇り、中では季節の作業が絶え間なく続きます。先月から続く夏みかん仕事の成果は、マーマレードやケーキ用の皮煮になって母屋や皆さんの食卓に上ります。みかん自体や刻みの大小が違うので、鍋ごとに出来が違う母屋のマーマレードです。

 そうこうするうちに、「ツワ引きに来んね」と声がかかり、今年もたくさんツワブキを収穫。トメさんや節子さんが嬉しそうに剥いてくれ、今年も味噌漬けを仕込みました。糀たっぷりの味噌漬けは、ツワ畑の主、山村さんの大好物。飴色に漬かったのをお返しするのが待ち遠しいです。みなさんもお楽しみに!

トメさんは疲れ知らず

 

ラード生地のアップルパイ

ハム・お菓子工場では、ひろんた豚の全てをいただくために、ラードを使ったお菓子の試作が進んでいます。放牧豚でもあるせいか、「ラード」という響きから想像されるよりずっと臭みも重さもない脂肪分で、バターより少量で済むので軽いビスケットやパイ生地になっています。今回から内輪で試作ビスケットの販売を始めています。マーマレードと合わせてティータイムセットになるかなあ、など想像しつつ。


 そんなバタバタなひろんた村に、先月京都から学生さんが研修・体験に来ました。気候変動をはじめ現代社会の歪みへの問題意識が高く、それ故に大学生活の日常にも違和感を感じる彼女に寄稿してもらいました。下記参照。(歌野杳)



初めまして。京都の大学生の寺島美羽と申します。大学の先生の紹介で、春休みの終わり、3月中旬にひろんた村に初めてお邪魔してきました。4日間と短い期間でしたが、歌野家の 皆さんと共に時間を過ごす中で、普段の生活では感じることのできない「幸せ」の在り方に ついて発見する事ができたので文章にしたいと思います。

 

ガス台にもトースターにもオーブンにもなる七輪

皆さんにとって、「幸せ」とはどのようなことでしょうか。私は、大好きな読書をして学ぶ時、妹弟や親友とお話しする時に幸せを感じます。しかし、これらの幸せは、平日には大学で講義を受け、休日はアルバイトをしたり友人と過ごす日常を送ることが当たり前だということを大前提に、何かを足すことで充実感や満足感を得ているものであったとひろんた村で生活をすることにより、経験として気づきました。改めて「幸せ」について問い直さ なければならないと実感したのです。一言で伝えると、ひろんた村が持つ「幸せ」は、生活そのものだということです。例えば、歌野家でお料理をする時やコタツで暖を取る時、お風呂を沸かす時(歌野注 さすがに風呂の時は薪です)には、これら全てを炭が支えています。そして、時間と労力をかけた炭焼きをしなければ、煮炊きをする、生活することもできません。木を切り倒して、適当な太さや長さにして集め、窯まで運び、入れ、天候に左右されながら温度調節をし、待って、取り出して…繰り返しの作業で、ようやく1年分の炭が完成します。決して楽な作業ではありませんが、この作業があるから、美味しいご飯を食べる事ができ、コタツやお風呂で暖まる事ができ、幸せがもたらされるのです。一つ一つの幸せが、炭を介してつながっていて、炭ができ るまでの苦労の上に成り立っています。生活することが、大変なことも含め、幸せや色々な 感情とそのまま重なっているのです。同様に、料理やコタツやお風呂でも、家電製品があれ ばボタン1つで終わってしまいます。これらは各々が分離されている他、無意識にする単純 作業なので幸せとはかけ離れてしまうのです。私が、ボタン一つでエアコンをつけることに 幸せなんて感じないように。

 今回は、ちょうど私がお邪魔したのが炭焼きの時期だったので炭に着目しましたが、それ以外の側面でも、生きることが生活することで、生活することが生きることで、それが「幸せ」そのものなのだと感じる事が多くありました。私たちは、人間だけでこの世界を生きて いるのではありません。人間も、動植物も、自然環境も、全ての尊い生命が循環し、一体と なって今を生きているのです。「幸せ」は、必ずしも一人一人の満足から成るのではなく、 本来、生きることとつながっているのではないでしょうか。



この3倍くらいの厚切りでグリルするそうで…

今回の豚は58㎏とまたまた小さめ。ここのところ豚が小さいのはなぜ? 皆で考えるのですが、原因はわからないまま。しかし、小さいながら脂肪が少なく、赤身の肉量が多いので、ハムなどいつもと変わらぬ大きさにカットできました。ベーコンは脂肪が少なく物足りないかも。ソーセージの出来はまあまあか、と。最近「太っちょソーセージ」が好評なので、今回多めに作りました。特に指定がなければ、太い方、細い方、ランダムに届くと思いますので、お好みがあればお知らせください。太いソーセージをそのままグリルしてかじるとなかなか食べ応え十分ですよ。また、ハムが届いたら厚く切ってグリル(うちと同じ七輪で網焼き)するという方の動画を見せてこらいました。2か月に1度の御馳走とか。ハムのしゃぶしゃぶがおいしいという方もいます。何はともあれおいしく食べていただければ豚も私たちも幸甚です。どうぞ、ご自分の食べ方で最高の味をお楽しみください。(啓子)

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