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食べるということ

【母屋のごはん】

 母屋のごはんは、「なるべく手作り、なるべく自給」を基盤にしたおうちご飯です。食事係がいるわけでもなく、その日のスタッフでほかの家事をこなしながら料理します。

 担当者の名前だけ書いた1週間の献立表は、「この人なら魚メニュー」とか「〇〇ちゃん得意のオムライスかな」「お昼はめん類」みたいな感じで埋められていきます。さらに、自分の担当日に「ギョウザにしよ!」と書き込む。出勤してから「何にしよっかなー」と悩む。悩みに悩んで「高野豆腐でも煮るか」…と、その途端電話が鳴って「ブリ持ってくるよ~」「あら、じゃあ今日は刺身か」なんていうラッキーな事態も。だいたい火曜日は、施設長がちょっと手の込んだ田舎料理を楽しみながら拵えます。お煮しめ、おこわ、お寿司、酢〆の魚や、差し入れられる高級魚ハタの唐揚げやアラのおつゆ。こないだは、スタッフ自らが捕ってきてくれたサザエのつぼ焼きやミナご飯が、食卓に上がりました。

スタッフ立石さんが獲ってきた三角ミナ

 野菜は「なるべく自給」すべく施設/農園長ががんばっていますが(後述)、なかなか全ては賄えません。買い物も間に合わず、「さあご飯の準備」と冷蔵庫を開けると空っぽ!なんてことも。

 乾物や同じ野菜を駆使して創意工夫が求められること多く、作り手はなかなか苦労します。そんな「ばっかり料理」でも、辛くても甘くてもおコゲでもベチャでも、食べる方は大抵笑って許してくれます。いや、その瞬間はお互いヒヤヒヤしたりガッカリしたりはもちろんありますよ。でも一晩眠れば笑い話です。


 全部賄えなくても、ひろんたの畑で実った季節の味は格別です。母屋のすぐ下にマイ畑を持つ住人の方も、見事なかぼちゃや貴重な葉ものを持ってきてくれます。

副島さんの畑からの贈り物

たまにはカレーにナンも

 魚は、スタッフや近所の方が差し入れてくれるイキのいいのがやってきます。そのアラや野菜くずは、豚や鶏のご飯になります。放牧場で泥んこになって遊ぶ豚は、しっかりおいしいお肉になって戻ってきます。それがハムやベーコンになってみなさんへ。ヒレカツや生姜焼きになって母屋の食卓へ。あら、ひろんた村メンバーとハムをご愛顧いただいている皆さんは、同じ豚ちゃんをいただく仲間ですね。

 ごとうの塩に、自家製の味噌、醤油…と書くとだいぶ自給率が高そうですが、街のスーパーにもずいぶんお世話になります。「なるべく手作り、なるべく自給」は、ぼちぼちの道のり。前述のように、作るほうも食べるほうもちょっと大変ってこともありますが、つくる喜びと苦労と、足るを知るという暮らしを、みんなで楽しんでいけたらなと思います。

(歌野杳)


【自然農は楽しい!】

 今日は8月24日、久しぶりにまとまった雨が降っています。お盆を過ぎると同じ暑さでも少しずつ変わっていく気配が感じられ、そうなると畑の方もあれこれ気になってソワソワ。ここ数日は人参の種まきと発芽のことで頭がいっぱいです。というのもここ数年夏まき人参は不調続き。上手く発芽したと思っても消えていったり発芽しなかったり。人参は発芽さえうまくいけばほぼ大丈夫というセオリーはどうも崩れてしまったようです。原因はここ数年の夏の異常な暑さかと思います。そこで今年は時期を少し遅らせて盆過ぎから種まき開始。2回目の種が今発芽中のところです。ただ1回目も発芽はまあまあだったのですが厳しい暑さと日照りで少しずつ消えています。なので今日の雨は救いの雨。逆に2回目の人参にはちょっと強過ぎてひょっとしたら叩かれて駄目になるかも。

 なんて今はとにかく人参が順調に育ってくれるかどうかで毎日ハラハラ。あとまだ2回ほど蒔こうと思っているのでハラハラドキドキはもうしばらく続くでしょう。因みに此処ひろんたは9月に入って蒔くと人参の出来がぐっと悪くなるのでこの8月一杯が勝負なのです。


 さてもう一つ人参の種まきで昨年までと大きく変わったことがあります。昨年の秋から私のプライベート畑では不耕起栽培に挑戦中。今回の人参も不耕起畑です。ほぼ一年間不耕起でやってみていろいろ気付いたり驚くことがありました。作物の出来はあまり良くないけどそれ以上に得るものが大きいと感じてます。もともとなるべく耕さなくていいところは耕さず、の精神でやってきたので私の畑は時には草ばっかり畑だったのですが、これまでは旺盛な草を見ると 「あ~」と溜息が出てたのですが不耕起=自然農でやろうとすると草はとても大切なものに見えてくるのです。勿論草刈りは大変。やり過ぎて肩が上がらなくなったりしますが、一番気が楽になったのは使わない場所に生えてる草はそのまま草としての一生を終えさせていいんだよ、という自然農をやってる人の言葉でした。使うときに刈ればいいし、土の中に根という養分を遺してくれる、地上部も敷物になりやがては有機物として土に帰る、と。そう思うと草の見かたとか付き合い方が大きく変わりました。これまでも「草がないと(野菜も穀類も)できない」と言う人の話も今一つピンときませんでしたが、自分でやってみてなるほどと納得。

 70歳を超えて自然農1年生、まだ新しい出会いがあるとは我ながらビックリです。ちょっと遅いですが、農の愉しさはこれから又広がりそうです。う~ん、私の時間(寿命)の方が足りないか。まあそれはそれ、出来るところまでやればいいだけです。それでは又秋の畑のお話をお楽しみに。 (歌野啓子)


【味菜自然村より】

今回の豚は中ヨークシャーという品種です。中ヨークシャーは昔は一般的な豚で日本で飼育されていた豚の7割が中ヨークシャーだったそうです。

現在では多頭飼育、生産効率を重視する飼育が一般的で、三元豚という3種類の豚をかけ合わせた豚が主流で、日本で飼育されている豚の8割くらいはこの三元豚です。そして中ヨークシャーはわずか0.01%にまで減ってしまった幻の豚と言われているほどです。


とても穏やかで臆病な性格でとても飼育しやすい豚ですが、そんなおっとりとした性格のため寒暖差だったり、ちょっとしたストレスで体調を崩しやすい豚です。

お肉としては脂が美味しく、柔らかいのが特徴です。たまにおじいちゃん、おばあちゃんが「昔の豚は美味しかったけど、今のは全然美味しくない」って言いますが、もしかしたら中ヨークシャーだったからかもしれません。(林拓生)

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