今年も暑い夏ですが、ひろんたは案外さわやかに感じます。朝晩涼しいからとか、森のおかげとかありますが、特筆すべき恵みは豚の可愛さと川の空気でしょうか。
放牧場がカラカラの時、豚に水をかけてやると飛び上がって喜びます。天を仰いでうっとりと水を浴びる子、その濡れた体を舐めて水分補給する子、口をパカパカして飲もうとする子、カバよろしくどっぷり泥水に浸かる子…。まさにパラダイス。水を得た豚は魚よりもキラキラしています(独断)。
また、仕事の合間を縫って雑草に覆われた田んぼの草取りに入ります。忙しい日々、泥に浸かって一心に草を取る朝夕のひとときは、(アブさえいなければ)心落ち着く貴重な時間。そして切り上げて川に入り、泥だらけの服と体を洗うときの気持ちよさは言葉に尽くせません。ひんやり漂う空気と清流が、その瞬間は心の汚れも流してくれます。ずっとここにいると善人になるのも夢ではない?
そうはいってもこのところの気候はやはり異常です。降水も偏りが激しく、今年の五島は旱魃。8月19日は35日ぶりの雨でしたが、時すでに遅しの感あり、きゅうりは死滅、バジルも消え、ピーマンは唐辛子に変身する始末です。姿を消す虫が年々増えるのも気になるし、気候変動という先送りにしてきた問題と向き合わねばと痛感します。母屋でもゴミ削減・節水・節電と口うるさく喚いている次第です。
さて今回の寄稿は、6月末に「暮らし体験」で来られ、ハムの全工程を手伝ってくれた川本真紀子さんです。ひろんた村の理事でナラティブセラピストの石河澄江さんの紹介で、転職のタイミングで来村。誠実で何事にも体当たり、そして料理上手な介護福祉士さん。いつか一緒に仕事できたらなあと夢みています。
(脚注:蜘蛛の子のカーテンは、蜘蛛の子が天井近くで孵ったら体験できます。ご希望の方はぜひ夏期にどうぞ!)(歌野杳)
2024年6月下旬、夢のようなひろんた村での1週間から約2ヶ月。
転職先の病院勤務で怒濤の日々の中、ひろんた村のそよ風のような優しい眼差しが私の支えです。
すみちゃん先生のカウンセリングを通じて、人生で一度も感じてこなかった「ありのままの自分で良い」を受け入れられるようになると、職場の働き方に違和感を感じ、自分の本音に従い退職を決意。有休期間中ひろんた村へ。
この「ありのままの自分で良い」は正にひろんた村の活動そのもののような気がします。
一見簡単そうで実状は許されることが決して多くない「自分大好き」を、確かに感じました。
人生色々あるけれど、少なくとも自然や福祉をおざなりにしている北九州で生きてる私よりも確実に「自分大好き」だな、、と。
やはりそれは歌野家のポリシー(勝手に想像)「自然の中で生かされている私は自然の一部でありたい」(合ってます?)
それって地球に住んでる「筈」の私(達)が忘れてしまっている本来あるべき人間の姿だよね、、と。
ひろんた村体験は貴重すぎて何度書き直しても1200文字。どうしよう笑。
歌野家の暮らしは皆さんご存知なので端折ります。とにかく食事が美味。ずっとつきあってきた慢性胃炎はどこ吹く風で、歌野家では最後まで箸を置かない私でした笑。お父さんの貴重でめちゃくちゃ美味しい地ビールも毎晩一本飲み干す。
ハムお菓子地ビール作り、母屋、畑、地元の施設等のひろんた豚のための残飯回収等々。どれもこれも「生きる」に直結、生活そのものが自然と共存。素敵すぎる。「夢のような」と言わず、こんな暮らしに近づけまいか模索し続けたい。
歌野家のお父さん啓子お母さん、忙しい中ずっと私についててくれた杳さん、大変お世話になりました。サバイバル慣れ(?)ゼロの私を受け入れて下さり感謝しかありません。
母屋の皆さん、ハム作りや、帰る前日招待して下さったみわさんご一家。あの蜘蛛の子カーテンのカオスな夕食。楽しかったなぁ。
必ずまたひろんたへ会いに行きます。
ありがとうございました。(川本真紀子)
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