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日々を「生産」する(10月の短信より)

【水はいのちの源】

雨が降りません。この一ヶ月一度だけ小雨の日がありましたがほとんど晴れ。それも行楽には絶好のカラリとした秋晴れ。でも畑にはこの好天が恨めしくなってきてます。

 9月初旬に播いた大根などは大雨と虫でほぼ全滅。まあこれはよくあることですが、続いて2回目、3回目と種を播いているのですがその頃からこの日照りが始まりました。きれいに発芽したカブやカツヲ菜などなかなか大きくならず、そのうち虫にやられ消滅。この虫がまた悩ましく正体不明。地表下1センチ位のところを隈なく這い回って発芽したばかり野菜の根を傷めます(ネキリムシのように野菜を食べるのではない様子)。這い回った跡はあるのですが探しても虫そのものはいません。野菜が少し大きくなれば大丈夫なのですが…。(最近オケラを疑ってますがご存じの方はご教示ください)

不耕起栽培の畑。草は元気です

 さて日照りと虫の害に加えて今年は白菜やレタスの苗たてにも失敗。レタスは直播きしたものもこの日照りでうまく発芽せず、何とか生き残った野菜も雨が降らないので大きくならず、といった次第。数日前雨の予報だったのが外れたので(しかもこの後もずっと晴れマーク)いよいよ川から水をポンプアップして水やりを始めました。ここまでは私達が新畑と呼んでる普通栽培の畑の話。不耕起でやってる畑は変な虫はいませんがやはり水不足と不耕起2年目ということもあってこちらも成長不良です。

 水やりを始めると今までしょぼんとしていた野菜が一気に元気になるのが分かります。根が水を吸って動き始め少しずつ根を伸ばしていってると思うと水やりは俄然楽しい作業。昨日はポンプアップして桶に貯めた水を畑中の野菜にやろうとほぼ一日過ごしました。

 農業に限りませんが水が無いと悲惨です。御存じの方も多いと思いますがアフガニスタンで灌漑事業を始めたペシャワール会の中村哲医師。医師である中村さんがなぜ井戸を掘ったり水路を作ったりしたか。それはアフガンが度重なる旱魃と戦争のせいで食糧不足とともに深刻な水不足に襲われ幼い子供たちが不潔な水を飲んで(飲むしかなく)眼の前で為す術もなく死んでいくという現状に向き合ったためです。薬より水だと。

 

今の私が嘆いている水不足などはまだまだですがこのままずっと雨が降らない事態を想像すると恐ろしくなります。畑どころか木も山も枯れて沙漠のようになったら、と。アフガンではそれが現実となり人々は農地を離れ難民にならざるを得なかったのです。ここ数年の天候異常(日本では豪雨)を考えるとこれまでの経験や知識などには頼れず、そう思うと畑仕事も不安になります。でもまあやることはやらねば、今日も水やりします。(啓子)







【みんなで日々を「生産」する】

一気に秋です。今年の気候も異常なものですが、それでも米も豆も芋も収穫期を迎えています。一方では8月からのショートステイの方の対応に追われ、見苦しいほどバタバタしています。

 そんなある日、住人のおひとりと話していたら、おもむろに手を挙げて

「農園部に入部します!」

と宣言されました。既に家事も農の作業もできることをしてくれるのですが、仕事を与えられるのではなく主体的に関わりたい、という一歩踏み込んだ言葉でした。

 介護の現場では、「する」側と「してもらう」側が分かれます。介護だけでなく、あらゆるサービスがそうです。しかしそのラインはお金ですっきり引けるものではない。当たり前ですが、お金を払って世話してもらったからといって100%満たされるわけではありません。不満足など口が裂けても言わない方ですが、これは「生産者になりたい」と言われているのだと思いました。「ホーム」が提供する「サービス」の消費者ではなく、母屋の日常を作り出す生産者になりたい。それは即ち、「生きたい 暮らしがしたい」ということです。

 介護も家事も食事も、する側・される側の垣根は低いほうが良い。そのためには情報・状況をオープンにすることが必要です。農園なら、どこに何が植っていて、何を植える予定で、何の準備や作業が必要か、などを共有しないと始まりません。母屋の家事とそのシステムも、時々訪れる危機も、程度はあれどオープンにする。運営側の悩みをさらけ出すなんて立場的に非常識だ、との思い込みも、「でもここは普通の施設ではないでしょう?」と、ばしっと壊してくれました。

 情報の共有はそれだけでひと手間ですが、それを怠っては協働は叶いません。母屋も加工も農園も、仕事に向かう気持ちに新たな光が差した気がします。こんなことをぐるぐる考えながら豚にご飯をやって戻ると、件の方が豆を取り込んでいるところでした。農作業は収穫が最後ではなく、剥いたり干したり選別したり、こまごました作業が続きます。その行程と、最後の「食べる」ところまで責任を持つのだと、その慎重な手つきが語っていました。 (歌野杳)


北海道からのお客さんも稲刈り!

晴天続きは稲の収穫には⭕️でした

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